漫才コンビ、ガクテンソクの奥田修二の日々を綴った初エッセイ集『何者かになりたくて』(ヨシモトブックス)が2月14日に発売される。

奥田は2005年、相方・よじょうと「学天即」を結成し、アマチュアながら同年の漫才コンクール『M-1グランプリ』にて準決勝進出を果たして以来、大阪を拠点に劇場・テレビで活躍し、数々の漫才賞を受賞。しかし、M-1はラストイヤーまで挑戦するも決勝の舞台に立つことが叶わず……。
その後「ガクテンソク」に改名し、2023年に41歳で上京。同年にスタートした結成16年以上の漫才師のための賞レース『THE SECOND~漫才トーナメント~』はベスト32で敗退してしまったが、翌2024年の第2回大会で優勝を果たした。
その喜びを綴った『note』のエッセイが注目され、「笑って泣ける」「映画を観ているような臨場感」「周りの人の考察や自身の心情が細かく書かれていて漫才師になった感覚に」など、漫才師の生き様をありありと描いた文章は多くの方に読まれることになった。そのnoteの連載を加筆・修正し、書き下ろし&語り下ろしを収録した読み応えたっぷりのエッセイだ。
ガクテンソクはなぜM-1で負け続け、なぜTHE SECONDで勝ち上がったのか
エッセイにはM-1への挑戦からTHE SECONDのチャンピオンになるまでの数々のエピソードが収録されている。敗退した年の決勝戦を観る様子、自分たちとは正反対のタイプのコンビとの対決、本番直前の舞台袖の作戦会議など……。賞レースに挑む芸人の心の動きが奥田によってどこまでも言語化されている。
40歳を過ぎても「気にしいの緊張しいのカッコつけ」
他には、生活者としての奥田のエピソードも。大好きなラーメンやクレーンゲーム、アイドルオタクであることの喜び、また家族や結婚観についてなど、あまり知られていないプライベートも綴っている。祖母に褒められたい一心で毎食吐くまで食べたり、緊張しすぎて何年も後輩を飲みに誘えなかったり…漫才している奥田からは想像できない「気にしいの緊張しいのカッコつけ」な性格に苦戦してきた過去もあったそう。
「何者かになりたくて」頑張っている人へ。芸歴19年かけてチャンピオンになった奥田の話
そんな奥田が自分自身と戦い、漫才でも戦い続けた19年間。THE SECOND優勝の瞬間、「何者かにな、なれっ、たんですけど!」と噛みながらコメントした奥田ですが、今は「まだ何者かになれてない」と言う。その真意とは?何者かになりたくて頑張っている人、何者かになりたかった人に届けたい「四十路独身上京漫才師」の等身大エッセイ。

書籍発売にあたって、奥田修二のコメント
「奥田さんのnoteを本にしませんか?」そんな打診があったのが昨年の夏ごろ。ついに出版できる運びとなりました。感謝です。ずっとnoteを読んでくださってた方も、たくさん書き下ろしがあるので、初めて読む文章だらけになっていると思います。四十路独身上京漫才師のリアルな日常をぜひ感じてください。

相方・よじょうからもコメントが!
本の内容は知りませんがあとがきを書いてます。
あとがきだけでも見てください!
奥田語録(本書より)
・晩ごはんに関しては、できれば一回もミスしたくない
・二郎を食べた日の夜は、何も食べないときもあります
・「酒」という文字を想像しただけで心が求めてしまうなんて、もはや恋です
・40歳からは若いときにちょっとかじったことを改めて始めるのがちょうどいい
・アイドルを見ると、「あかん!サボってる場合じゃない!俺も努力せなあかん!」と勇気づけられます
・得意ジャンルはミスのないように一生懸命やって、苦手ジャンルはミスしてもいいから一生懸命やる感じです
・もしも自分がお笑いを辞める日が来るとしたら、舞台はもちろんですが、芸人同士の飲み会での、こういう光景を見られなくなることが心残りだろうなと思いました。この光景を見続けるために必要なのは結果のみ。明日を一層がんばろう
・チャンピオンになるまでに19年かかってるということは、普通に考えて「遅咲き」ですよね。考えようによっては「燻っていた」とも言えます。でも咲くことをあきらめていなかったし、腐ってもいなかったんだと思います

著者:奥田修二
発売日:2025年2月14日(金)
造本:四六判ソフトカバー 224ページ
定価:1650円(税込)
発行:ヨシモトブックス
発売:ワニブックス